CORUSS
Synthetic Vegan Bow Hair
ビーガンシンセティックの弓毛と専用の松脂を紹介致します。
シンセティックの弓毛は特に新しいものではなく、2010年~2012年頃に一度手にしたことがあります。当時幾つか作られていたものの中には張力をかけ続けると伸びてしまうものがあったことや、水や熱を使って毛を整える伝統的な毛張の仕上げが出来ないこともあって“今向き合うべきものではない”と考え使用には至りませんでした。
フランスのメーカー、CORUSSはここ数年、ビーガンフレンドリーで環境負荷の少ないということを前面に打ち出して販売しています。弓職人としてCITES(ワシントン条約)による様々な規制によって振り回された経験もあって、“ビーガンだから”、“環境に負荷をかけないから”ということだけでは使用に慎重にならざるを得ません。倫理観やグリーンであることを訴求する欧州らしさを感じてしまい、この時もテストをしませんでした。
最近レイ・チェンさんが馬毛とシンセティックの弓毛の比較をしている動画の中で、「松脂がそんなに付いていないのにグリップ感がすごい」と話していたことが気になり初めてテストをしてみようと思いました。試してみると確かに強いグリップ感があります。引っ張ってみてもある程度伸びるものの、またすぐ元に戻り普通の力ではまず切れません。詳しくはよくわかりませんが、伸縮性があって強いことが、この弓毛が弦をよく掴むことに繋がっているのかもしれません。毛の張り方などまだ研究中ですが、今後可能性を探っていきたいと思います。
現時点でこの弓毛について自分を含めた色々な人が感じている欠点と利点には以下のものがあります。
欠点
・専用の松脂があるものの松脂は普段よりこまめにつけなければならない。
・熱を使った最後の長さ調整が出来ない為、自分としての毛張の出来栄えは90点。
利点
・グリップ感がある
・強くまず切れない
・通常の弓毛の2倍長持ちする
・湿度に影響されない
・動物性のものではない
CORUSSの松脂は、フランスで環境に優しい抽出および蒸留技術によって得られる天然の認定有機成分から作られています。シンセティックの弓毛のしっかりとしたグリップとピュアなサウンドを提供します。
CORUSSの松脂は店頭にてお試しいただけます。また、ネットショップでも販売しております。