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ペルナンブーコについて Part2



今我々は図らずも弦楽器史上、新たな時代の入り口に立っているのではないかと思う。ガット弦に金属線を巻いたこと、スネークウッドを弓の材料として使い始めたこと、ペルナンブーコの使用やスチール弦の発明など、弦楽器の音が変わったといえる出来事が数多くある。そして今年以降、ペルナンブーコから他の素材への移行が本格的に進んでいくことになるかもしれない。2000年代初頭に一度欧米のメーカー達は代替材の使用を提案していたが、中国やブラジルからの安価な弓の流入もあってこの運動が拡がることはなかった。2007年にCITESカテゴリーⅡに引き上げられた後も状況は変わらなかったが、ようやく事が動き始めた感がある。



取り敢えずきちんとナンバリングをして管理するというのが世界における流れである。昨年末のCITESの会議において全面的な輸出入の禁止は免れたものの、依然執行猶予がついた状態には変わりがない。某メーカーはブラジルで弓を作ることを諦めたとか、代替材に切り替えた、或いは切り替えるなどという噂を伝え聞いているが、彼らは完成品に関しても規制がかかる時期をわりと近い未来に想定しているのだと思う。年初より質の良い材料を使った安価なブラジル製の弓は入ってきていない。過去20年の間、つい昨年まではブラジル製の弓が溢れていたわけで、ある人は「あれはバブルだったんだね」と最近話していたがその通りかもしれない。確かに材料は抜群に良かった。今思えば違法に伐採された木も大いにあったのだろう。


「ペルナンブーコじゃなかったらこの世の終わり」などということはない。全体として聴こえてくる音は少し変わるかもしれないが、きっと判別できる人はまずいないだろう。その程度の違いでしかない。イペでもブラジルウッドやチャクテビガでも、弓に使用できる代替材料はあるが、いずれにせよ持続可能なシステムを作らなければ意味がない。植樹したペルナンブーコが育ったとしてもこの状況はしばら続くのだろうから。


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