何としたことだろう、あんなにも苦手であった筈のカントリーやブルーグラスを聴きたくなる時がある。フィドルやバンジョーの音が心地いい。ハーディングフェーレの弓を調べてからというもの、フィドルの演奏が気になっている。楽器や弓の持ち方にこれといった決まりはなく、かつてのフレンチグリップのようにフロッグの下に親指を当てて演奏する人も多くいる。その昔ショートボウは、宮廷で舞踏の伴奏として使われた他に酒場などでの演奏に使われたといい、演奏されていた音楽こそ違うものの雰囲気はこんな感じであったかと思う。アメリカの弦楽器製作者の集まりがあると必ずどこかでフィドルのセッションが始まり、弦楽器を志したきっかけとなっていることがある。弓職人のマット・ウェリングはマンドリン奏者である。ストラドやトゥルトの話をしていても、頭の中で流れている音楽はカントリーやブルーグラスかもしれない、そのことが自分にはない感覚なので面白い。
クリスマスが待ち遠しい。出来れば今年は普通の年末となってほしいものだ。