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八百万の楽器と弓 Part-1


Lira da braccio

16世紀以前の弓を自分なりに形にしてみたいと思い、あれこれ試している。弦楽器にはバイオリンが登場する前に5世紀にわたる先人達による試行錯誤の歴史がある。リラ・ダ・ブラッチョなど16世紀前半まで作られていた楽器は幾つか遺っているものの、1500年以前の楽器は現存しておらず、ましてや消耗品であった弓など遺っている筈もない。ここから先の弓作りは絵画表現を頼りに行う創作で、自分にとっては遊びであり楽しみでしかない。



棒切れのような弓ではあるが、困ったことにその辺の調整不足のモダンボウより弓として面白味があって弾きやすい(それがなければここまで棒切れにのめり込むこともなかっただろう)。当時現地で使われていた材料を使えば、弓の音色は或いは昔のものに近いものが作れるのかもしれない。全てを削ぎ落としていった先には素材の音しかのこらないからだ。

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