アンダーハンドのソティエは眺めているだけで面白い。弓自体の力を利用するソティエは弓の重さと強さがないと出来ない奏法なので、バロック期に使用した弓の材料はそのような基準を満たすものに徐々に限られていったのだろう。
モダンボウにおいてもソティエは弓について多くのことを教えてくれる。弓を選ぶ際にソティエやスタッカートなどをやってみる人がいるが、普段自身で使っている弓のコンディションをチェックする上でもソティエは有用である。状態のチェックには弾く必要もない。弓のヘッドを左手に載せて、右手で下に圧力をかけて曲げた時に最初に弓毛に接地する箇所がその弓の飛ばしのポイントである。モダンボウの製作時にはヘッドと右手人差し指の中間にくるように調整する。ソティエのポイントは多少前後しても構わないが、これが標準より大きくズレるのであれば弓のコンディションとして反りの形状など何かがおかしいのであって、調整が必要なのである。